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2016-09-09

Hockey Life

秋吉 樹

「大学時代、一番頑張ったことは何ですか?」


就職活動で幾度と無く聞かれた質問だ。僕は「ホッケーです。」と言っていたが、どこか心の中に違和感があった。


僕は本当にホッケーを「頑張った」のか?


振り返れば、一年生の時、「四年生の引退するときに心から泣けるくらいの達成感を得たい」と思ってホッケー部に入部した。同期の中で一番下手だったから、悔しくて、一年生の時はかなり自主練習をしていた。でも、基礎運動能力という根本的問題から目を背けていたためか、なかなか成果が出なくて、それでもホッケーを楽しんでやっていた。

でも、学年が上がるにつれて自分が同期から置いていかれ、上手な後輩にも抜かれ、下手な自分に苛立ち、練習のたびに劣等感で頭がいっぱいになっていた。なんでこんな毎日悔しい思いばっかりしないといけないのか、と本気で辞めたくなったこともあった。筋トレとかフットワークを意識して練習するようにしたけど、付いた癖と開いた差はそう簡単には埋まらなかった。本当は皆で勝ちたくて、喜びを分かち合いたくてホッケー部に入ったのに、我ながら今までのホッケー人生は酷いな、と思う。

でもそんな悲観的になっていても仕方ない、と思って最近は小さな目標を毎日立てて練習を楽しむようにしている。育成のリーダーを任せてもらって、どうやったら皆が楽しみながら上手くなって代表を脅かせるか自分なりに考えて試行錯誤している。

明日は秋季リーグ初戦の中央大学戦。絶対に勝たないといけない試合。僕たち四年生にとっては泣いても笑っても最後のリーグ戦。



もうここまで来たら、引退するまで走り抜けるしかない。



さて、三ヶ月後、僕は心から泣いて「頑張った」と言えているのだろうか。

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