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2014-10-09

19

山本 悠策

心に残っている2つの言葉とシーン

「だけど、ゆうさくは腰のせいもあるから…」
苦笑いしながら「努力不足ですよ」と返す僕。

「さすが、ゆうさくはだてに見学してないな」
驚きながら「どういうことですか」と返す僕。
その返事を聞き内心にやにやが止まらない僕。

1年の6月。フィールドホッケーと出会ってすぐになったヘルニア。
何度目かのリハビリ・見学期間の昨春、Bullionsは2部に降格した。

僕は悔しかった。ただただ悔しかった。
同期が試合や練習でチームに貢献し成長していく傍らで何も出来ていない自分に、プレーすらまともにできていない自分に腹が立ち、悔しかった。

自分が軽い筋トレとボール拾いをしている間に、どんどん進んでいく周り。置いていかれる僕。
ああ、何をしているんだろう。なんで自分は今、グラウンドにいるんだろう。そんな気持ちをかき消すようにひたすら声を出していた。

2013年6月18日
紅白戦で3分間だけのプレー。
半年振りの一応の復帰だった。
あの瞬間は今でも忘れられない。白線の内と外で大きく変わる景色。わくわく。どきどき。
―ポイントを取る―相手をかわす―絶好球をトラップミス―あっという間―
その夜、腰に痛みを感じながらもその3分間を思い出し、ホッケーの楽しさを思い出していた。

確かに僕はホッケーをしている時間は短いかもしれない。ホッケーを嫌いになったこともある。羨みや妬み、決して気持ちのいいとは言えない感情を抱いていた。

だけど、誰よりもプレーを見てきた。誰よりもプレーを楽しんでいる。誰よりも挑戦できる喜びを実感している。誰よりもホッケーを楽しんでいるのは僕だ。誰よりも成長し強くなるのも僕だ。

「ゆうさくは腰のせいもあるから…」
そうは言わせない。

そして

あの日悔しくてよかった

と、いつか笑って言いたい。

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