UNIVERSITY OF TOKYO HOCKEY TEAM
東京大学運動会ホッケー部
Est. 1925
2016-10-27
難しい。だからこそ、楽しい。
土倉 愛生
スタッフって、難しい。 今年の春リーグごろ、私の思考はここで止まっていた。
もとから裏方的な仕事は好きだし、スポットライトが当たらないような場所での苦労も比較的楽しんでできる性分でもある。
「チームが試合で勝利する」という成果を、フィールドに立たないスタッフが直接もたらすことはできない。そういう立場であることも承知の上で入部しているし、そういう立場であることで責任を負うことのない、一種の楽さを覚えていた。
しかし、ホッケー部員として過ごす時間を積み重ねるにつれ、ホッケー部という存在が“部活”から“生活の一部”になるにつれ、そういう自分の関わり方に物足りなさを感じるようになっていった。
自分で招いた状況のくせに、なんとなく蚊帳の外にいるような疎外感を覚えることもあった。
去年の秋、一部昇格が決まったときも、とてもうれしかったが、「私が成し遂げたことではない」という考えが邪魔をして心の底からは喜べていなかったように思う。
3年生になってからやっと、役職としての業務をこなすだけではなく、「スタッフが主体的にチームに関わる」ことの満足感、喜びを感じられるようになってきた。
しかしまだ、物足りなさを拭い去るには至っていない。
チームの勝利に責任を持つ存在にならなければ、まだ心のどこかにある疎外感から完全に逃れることはできないのかもしれない。心の底から、みんなと目標達成を喜び合うことはできないのかもしれない。
けれども最初に言った通り、直接的な成果をスタッフがもたらすことはできない。
だから、スタッフって、難しい。
だけど、だからこそ、楽しい。
最近の私はそう思えるようになった。
これから一つ上の先輩方が引退するまでちょうど一か月。そして、自分が引退するまでおよそ一年と一か月。
その間に、たとえ自己満足でもチームの勝利への責任を果たせたと思えるようになっていたい。本当の意味で、チームの一員であると確信できるようになっていたい。
さて、なにから始めようか。