UNIVERSITY OF TOKYO HOCKEY TEAM
東京大学運動会ホッケー部
Est. 1925
2018-10-27
部活
清水 勇多
10年前の自分は、その後の学生生活を部活中心に過ごすことになろうとは全く想像することが出来なかったのではと思います。それまで特に何かのスポーツを長くやっていたこともなければ、何かのスポーツの応援を熱心にしていたこともなかったからです。さらに、人間の運動神経はだいたい小学校の頃にはなんとなく差がはっきりしてくるもので、当時から特別足が速いわけでもなく、かといって体力や視野の広さが他人よりあるわけでもなかった僕のそれは全然であると感じていました。
だが、僕は今も部活を続けています。チームスポーツにおいて仲間と共に勝利の喜びを分かち合える瞬間は全体の内のほんの一部で、センスに欠ける自分は多くは競争に揉まれ何度も悔しく辛い思いをしてきたはずなのにです。一体どこから意欲が湧いてくるのか考えてみると、逆説的ではあるかもしれませんが、やはり僕がチームの中で「全然上手くない選手」であるからだと感じます。部活をする人なら誰しも自分が試合で活躍したいという夢をきっと持っているはずです。僕はこれまで満足いく結果を達成できていないからこそ、その夢を諦めきれず続けているのだと思います。そして、今度こそ勝利の瞬間に自分の存在感を示したいという執念が、日々の努力の意欲になっています。
でも、本人がただ努力するだけでは足りないのがチームスポーツの難しいところです。仲間と相互扶助の関係を築いてこそ、チームスポーツの部活をやっていると言える気がします。
しかし、現実にはチームメイトに助けられっぱなしでした。シュートコースを身体を張って限定してくれる人、僕の弾いたシュートのリバウンドをクリアしてくれる人、飛び出しで空いたゴールをカバーしてくれる人、そして失点しても諦めずそれ以上にゴールを決めてくれる人がいます。プレー以外でも、ボトルを作りグラウンドを走り回りボールを集めビデオを撮ってくれる人もいます。そういう仲間の存在が春の大きな結果につながったのだと思います。
残り一か月弱。それで東大ホッケー部の今シーズンと共に、僕の部活人生も終わります。自分がチームに貢献できているとようやく少し感じられるようになるまで3年以上かかってしまいました。四年生の1年間は本当に短く、下級生の時にあんなに長いと思っていたのが嘘のようです。もう4年分を返せる機会はほとんど残されていません。
その少しのチャンスをものにするために、残された時間を大切にし目標達成に向け必死に練習します。個人だけでなくチームが満足いく水準まで自分のレベルを上げます。そして最後に、結果という目に見える形でこのチームに対し恩返しをしたいです。チームにおける自分の存在意義が明確に示せるように。
まずはインカレ初戦の慶應戦、必ず勝ちに行きましょう。
部活人生10年目の夢を実現しよう。