UNIVERSITY OF TOKYO HOCKEY TEAM
東京大学運動会ホッケー部
Est. 1925
2014-11-10
負けない気持ち
藤宮 瑠勇
勝てると信じていた。
あれ程本気で準備したインカレであったが、呆気なく終わってしまった。
インカレで勝って、東大の力を見せつけてやろう!と意気込んでいた。分析もコンディション調整も納得の物だった。しかし、いざ試合が始まると、雨模様の異様な雰囲気、そして突然のピンチを見て急に弱気になった。 実力が足りないのか?勝てないのか? 最近の課題である試合の入りで、インカレの舞台でも急遽集中力を欠落させた。相手のプレーを実際に感じて例え実力差を感じたとしても、そんなことは関係なしにただただ負けん気を強く、予想外の事が起ころうがどんな相手だろうが、ゴールを決める、勝つ事だけに一心不乱にならなきゃ駄目なんだ。それなのに、余計な迷い、不安を最悪な事に試合中に持ち込み、しかも最後まで完全に払拭する事が出来ず、そのまま試合が終了した。気付くと、シーズン目標の懸かったインカレというステージからは静かに降ろされていた。
勿論、味方から「絶対負けねえ!」と気概の溢れるプレーも感じた。そういったプレーからは勇気を貰った。(そもそもフィールドに立つプレイヤーなら、チームに勇気を与えなければならない立場だと思うが、百歩譲って、この日の状態を認識した上で少しでも良いパフォーマンスを発揮する為に、甘んじて、力を貰おうと思った。)一方で隠れて試合中に弱気の自分、それも今までこの日の為に準備してきたのに、試合中に「何となく居る」自分。「負けるか!」と「勝ちたい」の差は少しの差に見えるが、大きいと思った。前者は強気の表れ、後者は弱気の表れだ。心の底から全力を注ぎ込んだチームメイト、勝ちを信じ続け応援して下さった方々に合わせる顔がないと感じた。全力でやらなかった訳ではない。手を抜いたとか、諦めたとか、そういう訳ではないけど、ひたすら勝利しか見えずに燃え尽きた、とは言えない。この差なんだ。自信を貫き通すことが出来なかった。試合後には、何の感情も沸かなかった。試合終了のホーンが鳴る直前と直後で、感情の変化が無かった。大本番であるインカレで、後悔すら出来ない虚しさだけが残った。
2014年のシーズンも、気付くとあっという間に終盤を迎え、遂に目標を達成する事は叶わなかった。
一部五位 インカレベスト8
シーズン初め、学年内での話し合いで上の目標を決めた時は、遂に東大ホッケー部隆盛期を開幕させるぞと意気衝天の気持ちだった。終わってみれば、とうとう今年も東大をネクストステージへ到達させることは出来ず、やるせない気持ちだ。
しかし、このままでは終われない。目標達成は出来なかったものの、やらねばならない務めがある。秋季リーグ二部のたすき戦、順位決定戦、そして(出場が決まれば)入れ替え戦が残されている。一部昇格は甘くない。春リーグでは、全勝の末二部優勝し、イケイケムードのまま、満を持して入れ替え戦に臨んだが負けた。入れ替え戦の勝利は、勢いで乗り切れるものでもなかった。
残された時間は少ないが、僕はまだまだ上手くなりたいと思っているし、最後まで、どんなに小さくともブレイクスルーを目指して部活に励む。そしてこの時期になったからには、どうにも足りない技術は、気持ちでカバーして、相手に必ず勝つ。ルーズボールは絶対にマイボールにするし、一対一も攻守で絶対に負けないし、ここぞのPCでは絶対にゴールを決める。この辺はもう全部気持ちだ。相手に負けない気持ちは然る事ながら、ミスを恐れない気持ちとか、自分に負けない気持ちも大事だ。
兎に角残りの試合では、後悔すら出来なかったインカレの二の舞を演じないよう、負けん気を強く持って臨む。ホッケー部に関わった方々全員に恩返しをする為にも、気持ちのこもったプレーを見せられるよう、やるしかない。先ずはたすき戦一橋大学に絶対に勝ち、入れ替え戦の出場を決める。そして入れ替え戦では一心不乱に全力を出し切って、何が何でも一部昇格を決める。11月30日BULLIONS2014が、遂に一つとなったチームで、入れ替え戦に勝利する事を信じている。