UNIVERSITY OF TOKYO HOCKEY TEAM
東京大学運動会ホッケー部
Est. 1925
2021-05-14
記憶
校條 恵太
僕には2人、好きな人がいる。
1人目は、Bullions2019で縦割り長だった先輩。
チームのムードメーカーのような人だった。明るく後輩想いで、縦割り中は常に笑いが絶えなかった。ホッケーを始めたてで下手くそな自分のプレーの中から、何とか良いシーンを取り上げて褒めてくれた。
2人目は、Bullions2020で縦割り長だった先輩。
誠実な人だった。部の運営についてとても良く配慮している人だった。縦割りの反省も真面目で、僕の言葉によく突っ込んでは笑っていたのが懐かしい。練習で一緒になった時は、活気のない僕らを尻目に率先して声出しをやってくれた。
当時の自分は、そんな2人の先輩の「校條上手くなったな」「校條いいじゃん」みたいな気遣いを真に受けて、勝手に得意げになっていた。
でも、この人たちのお陰で間違いなくホッケーが好きになれた。
僕はホッケー部にいる時、引退していった先輩のある種「記憶」を感じることが多々ある。もちろん、練習に先輩がOBさんとして参加してくれた時に限らない。昔の新歓の引き継ぎを開いた時。練習中にふと、昔先輩から受けたDFのアドバイスを思い出す時。インスタのストーリーで先輩が、Bullionsを引退してもホッケーに携わっているのを見る時。新歓に関するアドバイスをLINEの長文で送って励ましてくれた時。Bullions2018や2019の試合ダイジェストがYouTubeのおすすめで出てきた時。「雑感」を読む時。さまざまだ。
そして、そんな先輩の「記憶」に励まされている気がする。
自分がホッケースティックを握って、駒場のグラウンドに練習しに行くときも、95年間そこで積み上げられてきた「記憶」の歴史を繋いでいくような気持ちになる。
だからこそ、練習がしんどくても、コロナで活動が制限されて萎えても、諦めることはない。そんな気がする。
新歓もこの気持ちで頑張った。大輝さんの言う「部活が”時代錯誤”な時代」のムードは近年コロナも相俟って加速していると思うし、入部したBullions2019と最高学年となるBullions2022とのギャップの間で、部活自体のアイデンティティも問われてくると思う。
でも、諦めたくない。自分が好きなホッケー部の先輩が残してきた「記憶」を、自分がしっかりと次の世代に継承したい。
そして、自分が好きな先輩に恩返ししたい。
そんな気持ちで、また今日も練習頑張ろうと思います。