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2017-09-12

脱皮

白川

「Jr.戦の白川、マジでうまかったわー」

先日、ある同期の言葉を思い出して、一年前の七帝Jr.決勝戦の動画を見返した。
パソコンの画面上に映った僕は、ときどきボールが手元から離れてしまいながらも、体を使ってボールをキープしたり、吸収レシーブからスルーパスを出したりしている。
なるほど、自分で言うのもなんだが、確かにうまい。
(全ての女性の心をつかむ)フォアターン的なこともしてるし。

しかし、いいプレーをする自分を見てにやけていると、あることに気づいて突然どうしようもない不安感に襲われた。


あれ、俺が今やってること、一年前と変わんなくね?


もちろん、一年以上ホッケーをやってきたわけで、ボールは以前より安定して運べるようになってるし、パススピードだって速くなってる。
でも、同期の中村のように相手を数枚はがしてからパスを出したり、フォワードにロングボールを当てたりすることができるようにはなっていない。
プレーの精度は多少高まっていても、プレーの種類は、ボールをとられないように守ったり、どフリーのときにショートパスを成功させたりと、一年前とそんなに変わっていないのだ。

そのことに気づくと、最近何かと自分のプレーに苛立ちや焦りを覚えるのも納得出来た。東大に限らず同期や先輩方が着々とうまくなって試合で活躍しているなかで、自分のプレーの幅が広がっていないのだから。

プレー内容が変わらないのは、基礎技術や体力がまだまだ足りないというのもあるが、ピッチに立ってボールを受けるときに、頭の中に思い描くプレーの選択肢(いわゆる、ヴィジョン)が少なく、固定化されているのが大きい。
選択肢を増やすためには、自分のヴィジョンの限界を認め、他の人のアドバイスを真摯に受け止める謙虚さと、ミスを恐れず難しいプレーにも挑戦する勇気が必要だろう。
これからの練習、試合では、謙虚さと勇気を常に併せ持っていたい。

リーグ戦はあと二ヶ月。試合の間隔を考えると、おそらくあと一ヶ月くらいでメンバーは固定される。
それまでに、これまでの自分から脱皮し、プレーの幅を広げなければならない。

一ヶ月で化けるなんて、無理だと人は言うかもしれない。
でも、武蔵戦で何もできずあっという間に過ぎた五分で今シーズンを終わらせたくはないし、やるしかない。
それに、約一ヶ月半の怪我が治ってからもう少しで三ヶ月が経つ。一定期間運動を中断すると元の状態を取り戻すのには中断期間の倍の時間が必要だと聞いたことがあるし、怪我をした直前のように、成長する兆しがあと少しで見えてくるはず。

自分を信じて、まずは一ヶ月、全力で挑みたい。
全てはリーグ戦、インカレのピッチで暴れるために。
そして、勝利の喜びを先輩、同期、後輩たちと、ピッチ上で爆発させるために。

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