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2016-10-21

欲張れ

杉浦 武志

最高学年になって、かなりの長期間怪我で離脱してしまった。原因はあまりにくだらないことだったが、結果として数ヶ月まともに歩くことすらできなかった。

ホッケーができない期間はあまりに苦痛だった。引退まで怪我が治らないのではないかと何度も考えてしまった。

試合に出場してチームの勝利に導く得点をしたいという僕の引退までの最終目標は、走れない体にとってはあまりに虚しく、徐々に霞んでいってしまった。

早く怪我を治して、走れるようになりたい。みんなともう一度ホッケーがしたい。
恥ずかしながら、失意のどん底にいた僕にとってこれが引退までの最終目標となってしまっていた。

しかし、怪我が8割ほど治り練習に復帰する頃には、ホッケーがしたいなどという低い目標は消え失せていた。代わりに、こんなプレーがしたい、こうやって活躍したいという欲がどんどん出てきた。



今の僕は怪我もほぼ完治し、再びホッケーがプレーできる体になっている。離脱期間が長かったため技術的にも体力的にも大きく衰えてしまい、引退までわずかであるにもかかわらず同期どころか後輩にまで遅れをとっている。

しかし、それでも今はホッケーができること自体が楽しい。うまくいかなくて悔しいことも多々あるが、ホッケーができなかった時期の悔しさと比べるとその悔しさも楽しめている。

さらに、以前の最終目標を再び意識できている。チームとしての目標も達成したいが、個人の目標にも欲が湧いてきている。

引退まで残り試合も少なく、僕が試合に出られるチャンスはほとんどない。それでも僕は試合に出て、ゴールを決めたい。自分がチームの勝利に貢献したい。この最終目標に向けて、ホッケーができるこの体で、僕は欲張る。

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