UNIVERSITY OF TOKYO HOCKEY TEAM
東京大学運動会ホッケー部
Est. 1925
202010-24
本心
和田 歩
悔しくないわけがないし、辛くないわけがない。
一度も試合で着ていなかったユニを貼り番のために貸して穴だらけにされて返されて、後輩に追い抜かれて、合宿には連れて行ってもらえなくて、その時その時でこれ以上ないほどに悔しいと思ってきた。
このままじゃいけない、頑張ろうと思ってきたけどそれでも結局終わりにはこのザマである。
なんでこうなったかなんて他の人が分かる通りに自明で悔しさを感じていても状況を打開するほどの努力ができなかったこと、頭が足らなかったことに尽きる。
自分一人だけ本当に何をやっているんだろうか。
惨めでとても恥ずかしい。
練習へと向かう足はここ最近はずっと重かった。
家に帰って一人になると、全てのことにこれは違った、ああすればよかった、なんでできないんだと頭の中でグルグルと考え出してしまう。それが辛くて叫んで考えをかき消したり、寝込んだりしてばかりいる。
4年生になるとき、主務になったのはある種の逃げだったかもしれない。プレーで貢献してこれなかった自分がチームに居場所を作るには裏方仕事を引き受けるしかなかった。
でも、部活の本質はどうしてもホッケーそのものにあるからチームが掴み取った勝利も目標に届かず涙を流すような悔しさも自分には遠いものに感じてしまう。
入部した時のチームスポーツにみた憧れを忘れたわけではないし、プレーヤーとして入部したのだからどう思われていようと苦しいときも上手くなろうと練習してきた。
頑張った時間は無駄ではなかったと思っているけどこの先どうしたらいいかはもう自分ではわからない。
ただ残りの期間必死に食らいついてやり切るしかない。