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2016-09-13

時速160キロメートル

神武 真太朗

ずっと頭から離れない映像がある。


今年の春のリーグ入れ替え戦、

ストロークを相手に引っ掛けそのカウンターから失点。

自分のせいで失点してしまった責任から焦ってさらに何回も相手に引っ掛けてしまう。

悪循環でどんどん頭が混乱していく。

そんな時に、

相手チームの同期の選手がしたピックアップが、

スティックにくっついてるかようにボールを運ぶ姿が、

僕の頭から離れない。

躍動する相手チームの同期。
プレーが縮こまっていく自分。


あれ、俺ってこんなんだったっけ。


結局試合は負けた。

しばらくの間、とてもショックだった。

だけど、
自分の状況がよくわかった。

自分が下手だと受け入れるしかなかった。


だからこそ、

もっと上手くなりたい。

強くそう思った。


自分が上手くなるために練習する。

当たり前のことだけど、
忘れていたことを思い出せた。


苦い記憶が僕を変えた。


直後の練習で手を骨折してリーグ開幕に間に合わないとわかった時、

なんで今なんだ…

悔しかったけど、それでも、
上手くなりたい。
という気持ちはどんどん大きくなっていった。

ホッケーができないからこそ生まれた時間と体力で
上手くなるために必要だと自分が考えることに時間をつぎ込める。

そう思った。

自分の体を鍛えなおし、
怪我の調子が良くなってくると、
今まで苦手だった技術を見直した。

体もプレーも変わっていくのがわかった。

だけど、全てがトントン拍子にうまくいくわけもなく、
今日、久しぶりにゲーム形式の練習に参加したが、
イメージしていた姿とは程遠いプレーばかり。

また、敵に引っ掛けてしまった。


まだまだだ。


悔しい、だからこそ、


うまくなりたい。


もっと速く。


その気持ちがある限り、
僕はまだまだうまくなる。

そんな気がする。

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