top of page

2014-11-29

明日天気になあれ

根本 義規

ホッケーを始めて3年と7ヶ月、自分のホッケー人生は必ずしも順風満帆と言えるものではなかった。

腰の怪我で4ヶ月間ホッケーをできなかった一年生。
公式戦初出場するも秋以降はずっとベンチ外、チームの力となっていたのか自信が持てなかった二年生。
チームの主軸となる期待をされながらも実力が足りずレギュラーを外れ、育成チームの中心となっていくとともに代表からはどんどん遠くなっていく。最初の二試合を除き、最後まで応援席にいた三年生。
ベンチ外からいきなりチームキャプテンになり、実力と責任の重さの差に苦しんだ。東大ホッケー部の過渡期の中で、リーダーとして大きな決断を幾度もしなければならなかった四年生。
さらに自分のバックグラウンドには高校までの10年のサッカー人生があることは間違いない。

振り返ればきりがない。

懐かしむことは引退してからいくらでもできるので、明日の試合に向けてここでは今年のスローガンについて書かせてもらいたい。

BULLIONS2014スローガン
【勇言実行】
「勇気を持って高い目標を掲げ、
勇気を持って意見や考えを言い、
勇気を持って、そして覚悟を決めてそれらを実行していく。」

チームとして、
環境が良くなり部員も増え、確実に変革の時を迎えている東大ホッケー部が、過渡期のうちに一段階より強く大きく良くなるために高い目標を掲げること、そしてその高い目標が絵空事ではなく実現可能であると、結果を残して示すこと。
各部員に対して、
一人一人が持っている意見をみんなで共有して、それを踏まえて一番良いものをチームとして決断していく。風通しがよく、みんなが意見を言いやすい。そして各個人もそれに見合うだけの責任を持って行動する。そんな個人の集団がチームとして強くなる。
自分自身に、
これまでの人生、だいたいのことで「有言実行」はしてきたつもりだ。自分の発言に対して常に責任を持って行動してきたし、自分の言動に恥じることはあまりない。しかしそれはどちらかというと「不言実行」であって、できる可能性の低いことは全て口に出さなかった、それだけのことだった。いままでのリスクを負わない生き方からもっと大きな人間になるため、リスクを負う勇気を持つこと、そしてそれを責任を持って現実化すること。

そんなメッセージを込めてこのスローガンを決めていた。

今年を振り返ってみると、シーズン目標であった「1部5位、インカレベスト8」という目標は、春入れ替え戦敗退・インカレ初戦敗退という形で終わり、実現できなかった。惜しいどころか挑戦権すら得られぬまま目標は絵空事へと変わってしまった。「勇言実行」どころか「妄言不実行」に終わってしまった。確かに目標達成のためにはいろいろと歯車がうまく噛み合わないといけないとは思っていたが、そうでなくとも惜しいところまでは行けると思っていた。そんなに人生は甘くなかった。
個人レベルではどうだったろうか。みんなが発言しやすい環境がつくれていただろうか、責任が取れないと思って発言をためらったことはなかっただろうか、発言していないからと無責任な行動をとっていないだろうか。きちんと自分自身を振り返って来シーズン以降に活かしてほしい。
自分はどうだったか。以前よりは勇気を持って発言しようと心がけた。少しでもビッグマウスになろうと。そんな自分を鼓舞するための「ゆーていけるっしょ!」だった。気づけばそれが口癖になっていて、大きなことも言えるようになってきた。しかしそれが現実化したとは言い難い。細かいことはそうとしても、やはり何よりチームの目標が「妄言不実行」で終わったことは、主将としてスローガンを身をもって証明することはできなかったということか。

そして明日の入れ替え戦で、自分の部活人生が終わりを迎える。
はっきり言って今年の学習院は強い。「絶対に勝つ」なんて言う自信は全然ない。
だけど、だからこそこう言いたい。

「4年間、否、22年間の集大成として、明日の入れ替え戦で東大ホッケー部は学習院大学に勝利する」

自分がいくらダメなプレーをしてもいい、開始1分で大怪我を負って退場してもいい。
自分と自分を支えてくれた60人の部員、応援してくれている様々な人々、その力のすべてをもって明日の勝利を手にし、最後の意地を見せたい。
そして笑って引退したい。

これが最後の、勇言実行。

bottom of page