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2019-11-29

感想

中村 能之

今日に至るまでのホッケー部の4年間はめちゃめちゃ楽しかった。
夢の人工芝グラウンドとナイターで毎週ホッケーできることが喜びだったし、高校の時よりさらにホッケーを楽しめたな、と今になって思う。
天理の監督さんに目からウロコの技術を教えてもらったり、かのジェイミードワイヤーの技術を生で見たり、あるいはU21の選考会に行ってみたものの、マジで場違いなくらいレベル違くてどうしようもなく落ち込んだり。いろいろ経験に恵まれたと思う。
筋トレとかやってみて、上手くなった実感もあって、あんまり悔いみたいなものはない。
欲を言えば一部リーグでもっと恐れられるような存在になりたかったけど。ベストイレブンとか。落とされた国体選抜とか。

振り返ってみて個人的なホッケー技術面に関してはこんな感じで概ね楽しかった以外に特に書くようなことがないので、最後の一年で別によく考えてたこと(、感想みたいな)を書く。






それは意思決定について。
この一年、4年で主将の立場からいろんな決断が迫られた。

どんな戦術で戦うか。
どんな練習をするか。
試合で誰を起用するか。
オフをどれだけ取るか。
広報は何をするか。


学生主導の部活運営では普通は監督が決めるようなことを毎年の代の幹部が決める。
そして、一つ一つの場面に立ち会った時に思考から逃げる誘惑にかられる。特に疲れてる時、議題がたくさんある時、「とりあえず現状維持!」って考えたくなる。
だいたい去年と同じ方向で。同じような練習メニュー。同じようなメンバー。変わらなければ、「変えたやつの責任」が問われることはないから。
厄介なのは無意識にそっちに流されがちなので流されてること自体にすら気づいてないパターンが多いのだ。

そこに目標達成に向けた本気度が現れる。そういう今までを踏襲するだけのいい加減な強化(運営もだが)で引退後に後悔したり中途半端な気持ちになりたくなかった。ので、少なくとも自分の中ではこれ以上の反論を想定できない状態にまで議論を用意して、他の部員に説明するべきと自分を戒めていこうとしたつもりだった。

が、これが本当に難しかったし、手間も馬鹿みたいにかかる。
やることは
まず議論するにあたって「情報」が必要なので自分自身が多くを知ることから始める。他の環境や文化の人と交流する(特に留学生のSebとDeepは面白かった)、ネットとtwitterを漁る、本を読む…
その上で、情報に基づいて良し悪しを「判断」し、「実践」する。

例えば練習メニュー。今日も昨日と同じで!は楽だ。
よく考えれば日々練習すべき課題は変わっていっているはずで、試合でとる戦術も相手に合わせて少しずつマイナーチェンジしてるはずで、そこに焦点を当てた練習メニューが必要になるのは当然だ。あるいは、メニューを頻繁に変えることによって認知に刺激が入って状況対応力が増す、なんていう知識も拾ってきたりする。
それをもとに考え、議論するのは労力がかかるが、しない場合よりも強化は前進するはずである(必ずしも方向が正しい、とは限らないがそこは反省をしながら良くしていく)。

ここで、

そもそも外部に情報を求めに行かない→「情報」からの逃げ
権威が言ってたからとりあえずやろうぜ→「判断」からの逃げ
新メニューで失敗したくない、良かったメニューずっとやってようぜ→「実践」からの逃げ

とかに無意識に誘導されないように決定していくには、結構時間と体力を使うもんだな、とわかった(当たり前)。



あるいは、メンバー起用。
外す選手への説明はいつでも難しい。そいつのプレーを動画で見てみたり(情報)、説明の場を設けたり(実践)。
勝利に貢献しようと必死に練習している中で出場機会が与えられないのは、「実力だから」と言えばそれまでだが、週5で切磋琢磨する仲間としての目線で見てしまうと途端に難しくなる。無意識にひいき目が偏ってる?と不安になることもある。そもそも一介の選手である自分が、他の選手がピッチに立つ資格を与える構図にふと戸惑う時もある。
それでもやっぱり勝つことが目標だから。当たり前だけど、フェアに決める。その自分が思うフェアさを精一杯の論理性で裏付けようと頑張る。






分かったことは、いつでもきちんとした意思決定にはエネルギーが必要。
とりあえず、なんとなく、そんな気がするから、みたいな無意識な主観的根拠・曖昧さ・逃げを排除するのは意外と難しい。無意識だから排除しようとさえしないこともあるだろう。知らないうちに、そういう主観で誰かを傷つけているかもしれない。本当に難しい。


この一年、全部きちんとプロセスを踏めたわけじゃなくて、あまり深く考えられずに失敗したなと感じたこともかなりいっぱいある。メニューしかり、集合の時にみんなに伝える言葉しかり。深く考え続けることは言うは易し、行うは難し。
ただ、エネルギーが足りなくなって感情的になった自分をことあるごとに引き戻してくれた同期がいなかったら今頃もっともっと後悔が膨れていたと思う。気づいたらいらだってたこと、自覚があるものだけでもいっぱいある。自制してたつもりだけどまだまだ未熟です。みんなありがとう。

下級生はこれから部での意思決定の機会がたくさん増えると思う。感情的になるかは人次第だけど、少なくとも1人ではエネルギーが足りなくなるかもしれない。
一回一回の決断にエネルギーがいるし、ふと無意識に情報判断実践から逃げがちになるけど、それでもお互いを支え合って考え抜けば後悔しないと思う。
それから幹部でなくても、幹部の決定に疑問を持ったり議論することは大切だと思う。与えられたメニューをこなす、ボールを打つのは考えなくて良い分楽だし、責任が問われない。普通は監督の要求に応えられるように頑張るのかもしれないし、それは一つの部活の向き合い方かもしれない。
けれども、ここは学生主導のホッケー部。もっと多くの人がリーダーシップを持って議論し自分なりに部を動かしていくことができればより早く強くなるのでは。理想論かもしれないけど、そうあったら良いな。
きっと東大ホッケー部はもっと強くなれるし、もっと魅力ある組織にできると思うから。
秋あと一歩だった一部での勝利も達成してほしい。自分でよければ、いつでも相談に乗ります。












明日に向けて

当たり前のように引退試合を迎えられることに感謝して。
ずっと応援してくれた方々全員に感謝して。
4年間本当にありがとうございました。


ここまで来たので実は七面倒な意思決定とかはもうなくて、あとは最後の試合で走り回るだけです。
なんて楽しいんでしょう。あとはホッケーをするだけです。
純粋に一選手としてホッケーを本気でやるのは最後かなと思うと、寂しくもありますがその分出し尽くして来ます。明日はきっと中村がマンオブザマッチです。

後輩のみんなは緊張するのか知らないけど、良いイメージを持って、冷静であれば大丈夫です。
自信持ってチャレンジしましょう。
盛り上げていきましょう。応援席チャント響かせてください。


意地がかかっています。全員で勝って残留しましょう。

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