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2014-04-14

己を利する

小林 広師

自分に自信を持ちたい。それはホッケーに限ったことではなく、どんなことに対してもだ。しかし、僕は性格上そういうことを苦手として生きてきた。自分が他人よりも優れている所や、これなら誰にも負けないなんてことは、考えたことがなかった。「長所」は何か、「自分の良さ」は何かと問われる度に、絞り出すようにして答えていたように思う。

最近になり、代表チームで試合に出させてもらうようになって、そんな甘いことは考えていられなくなった。チームの代表としてコートにいる以上、その自負をもってプレーする責任がある。しかし、そのことは分かっていても、そう簡単に自分の性格が変わるものではない。自信を持つどころか、その責任をプレッシャーに感じてばかりいる。

ただ自分でも、もっと自信を持ってやれば良くなるのに、とは思ってきた。感覚的に、一つ良いプレーをすれば、その後のプレーはうまくいくことが多い。それはつまり自信を持っているときにパフォーマンスが良くなるということで、逆に自信がなく弱気になっている時は、それがプレーにも現れてしまう。気持ち一つで「悪いスパイラル」にも「良いスパイラル」にもなりうる、ということをいつも思っていた。でも、それは自分の性格のせいだから仕方ないと目を背けてきた。

だから僕はこの「代表チームとして試合に出る」という絶好の機会を通して、自信を持ちたい。有り体に言ってしまえば、自分のためにプレーしよう、と思う。
今の僕がチームのためにプレーしようとすれば、それは自分から逃げることでしかなく、良い結果を生むとは思えない。必要なのは自分の弱気な部分に打ち勝って、その上でチームのことを考えられるようになることだ。それが、結局はチームに貢献することにつながるはず。だから明日の試合では、あえて悪い言葉で言えば利己的に、自分本位に、思い切ってプレーしようと思う。そうして、試合で活躍する。FWとして、ゴールを決める。勇気を持って、そして覚悟を決めて、それを実行したいと思う。

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