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2020-10-13

失って気付く

成田 雄紀

今、ホッケーがめっちゃくちゃ楽しい。

仲間とボールを追いかけて勝利のために一生懸命になれること。
うまくいかないことばかりでまだまだ下手くそで毎日反省することだらけだけど、それを改善しようと努力するそのプロセスを踏めることが今は何より楽しいし、自分が入部したときにこの部活に求めていたことだと心から言える。

今こんなふうに思えるのは、怪我やコロナで長い間ホッケーをできない時期があったから。
こうして一部員としてプレーさせてもらっていることがどれだけありがたいことなのか、ホッケーを失って初めて、3年生のこの時期にしてようやく気付かされた。


そして今、ありがたいことに公式戦でプレーする機会をもらっている中で、もう一つ思うことがある。
それは、昨年まで東大ホッケー部が戦っていた1部リーグという舞台がどれだけ恵まれていたのか、ということである。

今の自分に1部で通用する実力がないと自覚しているし、また冒頭に述べたように今ホッケーがめっちゃくちゃ楽しいという感情に全く嘘はないことを前提にして言うが、正直2部相手よりも1部相手に戦う方がよっぽど楽しいと感じる。

去年自分は、チームが一部を戦う中、一年間を通して公式戦にはほとんど出場できなかった。けど、1部相手の練習試合、合宿、僅かに出場した公式戦を経て、相手の想像を超える巧さに驚きながらも、いつか自分も追い付き追い越そうと努力して一部相手の勝利に貢献したいと無意識のうちに感じるようになった。今思えば、それが当時の自分のホッケーの大きなモチベーションでもあったように思う。
1部という舞台を失ってから振り返ってみて初めてそのことに気付かされたし、今でも一橋とか1部チームのリーグ戦結果を見るだけでも何だかよく分からない色んな感情が込み上げてくる。

ありがたいことに自分にはまだ1部で戦えるチャンスは残されている。というか冷静に考えてみると、1部昇格のチャンスを理不尽にも奪われ、僕なんかよりも何倍も昇格を願っていたであろう4年生のことを思えば自分の考えなんか贅沢でしかないのかもしれない。それに、こんなこと言っておきながら、この前の慶應戦や立教戦を通して、自分は1部で通用する実力はないし2部の中でも大したことない選手だとよく分かった。

だから、入れ替え戦のない今年の秋リーグ期間は、来年自分が2部の中で違いを生み出せ1部で通用する実力をつけるための準備期間にしたいと思う。今の4年生からはできるだけのことを吸収したいし、残された決勝戦からできるだけ多くのことを学びたい。自分にはまだまだ伸び代がたくさんあるはずだ。


そして、何よりもまずホッケーを楽しむ。
ホッケーができる環境に感謝する。
これだけは忘れない。

Bullions2020も残り2ヶ月。
終わるのは寂しいけど、この2ヶ月で自分が何を成せるか。このチームが何を成せるか。
考えれば考えるほど不安にもなるけど、今は楽しみの方が大きい。

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