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2018-09-15

夢なき夢は夢じゃない

岸野 真道

「最近感動したことは何ですか?」
言葉に詰まる。しばらく考えてみる。涙が出るほど感動したのって一体いつだっけ?

春の雑感では、責任と覚悟を持って戦わなければいけないというカッコのいいことを書いてしまった。その甲斐あってかは知らないが、あの雑感の後Bullionsは一部で2勝を挙げるという成果を挙げた。さすがにその試合は感動したんじゃないのか? 達成感みたいなものはあったかもしれないが、感動かといえば違うと思う。あの試合は通過点だという気持ちが心のどこかにあったし、実際最後には負けてしまったことで春は悔しさの方が大きくなってしまった。

僕はすごく負けず嫌いである。「負けて『悔いはない』と笑顔で言う人間には絶対になるな。そのために全力を尽くせ」と昔部活の顧問が言っていて(昔のことなのにその言葉だけよく覚えている)、もちろん賛否両論はあるだろうが僕は今でもその言葉は正しいと信じて疑っていない。昔(これはもっと昔のこと)は試合で負けるたびに自分が許せなくて泣いていたことは前にも書いたような気がする。まあ要するに負けて綺麗な終わり方というのはできないわけで、勝って涙を流すほど感動して終わりたいのである。

ここまで書いて眺めてみて、やけに肩に力が入った文章だなあと感じる。多分このままだと明日一発目のスイープを派手に浮かすかもしれない。だいいち自分はそんなにストイックな人間ではない。

昔一度は諦めたホッケーをまた始めて、4年近く続けてきたのはホッケーが楽しいからに他ならない。好きなことをやっているはずなのに、この4年近くはつらいことの方が圧倒的に多かった気がする。自分の思い通りにいかなくて、それこそ涙を流すほど情けなく、悔しい思いをすることもあった。そのたびに自分のホッケーが楽しいと思う気持ちだけで折れそうな心を繋ぎ止めていた。結局僕は、好きなことには手を抜けない。手を抜けないからこそ悔しい思いばかりしていた。そんな気がする。

4年になって考えなくてはいけないことが増えた。試合に出ているのだからそれにふさわしいプレーをしなくてはいけない。試合の入りは絶対に集中を切らしてはいけない。周りを見渡して指示を出さないといけない。自分に期待されている役割を、練習でやってきたことをミスなくこなさなくてはいけない。書いていくとキリはない。だからこそ一度リセットしたい。今から戦うのは最高の舞台で、僕たちはあくまでも挑戦者。挑戦者だからこそ楽しい。好きなスポーツで勝負するから楽しい。4年間磨き続けてきたことの成果が発揮できるから楽しい。そしてこの仲間たちと試合をするのが楽しい。そして勝てたら、もっと楽しいに違いない。

あれこれ難しいことを考えるよりはまずは自分のためにホッケーをしたい。好きなことだからこそ楽しまなくてはならない。そう考えた方が身体も動くだろうし、苦しいときでも走り続けようとする力が生まれるかもしれない。4年間考えて、とりとめもない雑感を書き続けて得られた結論がこれというのはある意味不本意だが、こうした単純な動機であるほど僕は緊張しないからちょうどいいのかもしれない。

そうした先に涙を流すほどの感動が待っているのかは分からない。ただ、これが一番の近道だと今は思っている。先のことを考えるのは苦手だ。まずは目の前の試合を全力で楽しむ。

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