UNIVERSITY OF TOKYO HOCKEY TEAM
東京大学運動会ホッケー部
Est. 1925
2021-06-10
原点回帰
石川 智規
最上級生になって、副将という役職について、当たり前だけどこれまでに比べて格段にやることが増えた。
どういう強化方針でいくのか、今のチームにはどういった練習メニューが必要なのか、練習メニューの意図をどうみんなに伝えるのか…。
部の運営に関わるほぼ全てのことを自分たちで決められるというのはうちの部活のいいところの一つだと思うし、そうした意思決定に主体的に携わることができているのはものすごくやりがいがあり楽しい。
しかし、そこで自分が周りの期待に応えられるだけの働きができているのかと問われれば、自信を持って「イエス」とは言えないのが正直なところだ。
ありがたいことに自分にアドバイスを求めてきてくれる後輩はいるものの、微妙な感覚をうまく言語化できないことが多い自分は、本当に彼らの役に立てているのだろうか。
優柔不断な自分は毎練習メニュー後に的確な反省を打ち出せているだろうか。
そもそもこんなに偉そうに振る舞ってるくせに、それに見合うだけのプレーができているののだろうか。
特に3月4月は自分自身がプレーヤーとして成長していけているという実感が全く持てず、寧ろどんどん下手になっていってるんじゃないかとすら感じていた。
また、自分自身下級生の頃、先輩方の様々なアドバイスのおかげで成長できたという思いがあるだけに、最高学年でありながらそういった貢献が思うようにできていない現状へのもどかしさもある。
これまでのBullionsの幹部の先輩方に比べて、自分はチーム強化面でも、プレー面でも、全然チームに貢献できていない。
そういった現状に対する情けなさだったり、焦りだったりが正直物凄くある。
なんでだろう…
どうしよう…
グダグダ考え続けた結果たどり着いたのは、泥臭くやるしかないな、という当たり前の結論だった。
結局、色々な面において、スマートにできるタイプでもないくせにスマートにやろうとしすぎていたんだと思う。
プレー面でいえば、多少受けさせても一対一で綺麗に取りきれるんじゃないかといった驕りや甘えは少なからずあったと思うし、副将としての振る舞いについても、現実とは程遠い理想に縛られすぎていた。
自分のプレーには人を惹きつけるような華はないだろうなと思っているし、戦術策定や後輩指導において目から鱗が落ちるような意見をスッと出せるようなタイプでもない。
それなのに、副将になれば/四年生になれば、こんな風にできてるはずだ、いやできないとまずいという思い込みに縛られ迷走してしまっていたのだろう。
結局、大したセンスも才能も持ち合わせていない自分が「一部で勝つ」という高い目標を本気で実現するためには、どんなにダサくてもなりふり構ってなんかいられない。
思えばこれまでのスポーツ人生。競技は違えど、不器用なりに地道に努力するというスタンスだけは変わらなかった気がする。
そうであれば、副将だからとか四年生だからとかで変に気負わず、自分のスタンスを貫き通す。
繊細な技術なんて持ち合わせてないなりにも誰よりも走ることでチームを救ったり、
的確なアドバイスをビシバシできるわけではないかもしれないけれども相談に対しできるだけ真摯に向き合うことで周りに何かしらのものを与えられる存在を目指したりだとか。
こういった誰でもやろうと思ったらできることを一つ一つ全力でやることの積み重ねでチームに貢献していくことが、自分がチームに与えられる価値を最大化するための方法なのだろう。
そして、その積み重ねの結果として見えてくるのが一部という舞台だと思う。
春リーグももう残すところ一ヶ月もない。
この一ヶ月で見違えるような成長を遂げることは難しいかもしれない。
でも、今自分ができることをやり続けることでしか一部という舞台は見えてこないと思う。
2019の入替戦の悔しさを晴らしたい。
もう一度一部で勝つ喜びをみんなで共有したい。
この二つの想いを原動力に、残り一ヶ月弱、一つ一つに全力でぶつかっていきたい。
自分たちの代が一部でプレーする権利を得るためのラストチャンス。
死んでも勝ち取りにいきたい。
そのために、まずは今週の武蔵戦。
きっちりと自分たちのプレーを披露して、タスキ戦に弾みをつけましょう。
個人としても、今自分にできることを泥臭く全力で出し切ります。