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2018-05-04

勝利への準備

武藤 宝

ものごとを成功させる最大のコツは準備であると思う。ライフハックというほど大したものでもないが、これまでの人生のなかでこれがけっこう役に立ってきた。例えば、寝るときには必ず次の日に必要なものをカバンに詰めてから寝る。そうすると、次の日の朝に時間がなくても焦らず出発できる。また、あの本田圭佑も試合前の準備、特に気持ちの準備は大事だと言っている。試合当日の様子を想像し、本番で予想通りの展開に持っていくためだ。

 僕は「試合で活躍する」ため、「チームの勝利に貢献する」ために練習している。いずれの言葉もよく聞くが、これは具体的にどういうことなのだろうか?何をしたら貢献したことになるのか?よくある言葉で終わらせて思考が停止していた気がする。コピペを貼って中身のないレポートを提出するようだった。そこで先輩の代が終わったあとから行動を変えていった。ラッキーでもいいからサークル内でボールがこぼれてきたときに確実に決められるように、ヒットやリバースヒットを練習してきた。CFとして出るときに、楔で受けるためにシールドレシーブと視野を確保できるように取り組んできた。自分はそんなに要領がよくないから、試合でやりたいプレイをかなり細かく切って、それをできるように挑戦してきた。意外とそれが性に合っていたのかもしれない。これもまた準備である。

 僕の3つ上、1つ上の先輩は1部に昇格させてくれた方々だ。どれだけこの舞台でプレイしたかっただろうか、OBさんとしてグラウンドに来てくれるときの言葉から強い悔しさと託された何かを感じる。その他の先輩もまた同じ思いであるはずだ。ここまでくるのに、ここで互角に渡り合うまでにどれほどの先輩にお世話になっただろうか。そのなかで、最高の舞台にいるのだから、せめて当時の先輩方よりうまくプレイしてやろう、と思うがそれができず情けない、というか申し訳ない。ここでプレイするに値しない、資格があるのか、と悩んでしまう。また、試合において、相手からすれば1番弱そうなところを攻めるのが最も効率的なわけだから、チームとしての防御力は1番レベルの低い選手に準じてしまう。このようにプレスでは、弱点として機能し失点してしまうこともあった。まとめると、4年として、チームの歯車として、準備が未完だったのである。

 ありがたいことに今季のリーグでは試合に出させてもらっている。しかしいつまでもこの席が自分のために用意されているとは思わないし、胡坐をかいている場合でもない。後輩も見違えるほどうまくなった。この時期にみんなリバースヒットを打てていることが驚きだ。それを見て、遅れた準備をなんとかして間に合わせよう、と余計に思う。

 新到三年、皓歯を見せず頑張ってきた。今年で4年目になるが上述の通り頑張らなくてはいけないのは今年も同じだ。実力が理想に及ばないのもわかっている。ただ、最高の舞台で戦えることはほんとうに面白いし、ありがたいことだ。


そう改めて認識したうえで、今日もまた準備にとりかかる。

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