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2025-05-26

勝つべくして勝つために

三木 隆斗

新チームになった頃からホッケーを楽しめるようになってきた。怪我が段々と落ち着いてきてストレスなくプレーできるようになった。全力で動き回れることはこんなに気持ちがいいのかと驚いた。東商戦の勝利からなんとなく勝利の形をチームで共有できていた気がするし、個人としてもプレスをかけられても上手くいなせる自信がついてきた。チームの勝利が絶対的価値基準の自分にとって内容がどうであれ、練習試合、公式戦で勝利を積み重ねられる事は最大のモチベーションだ。その意味で東海戦まではかなりいい状態だったと思う。しかし今年は強いと思いすぎてしまったのかもしれない。このまま強くなればいいチームになるねだったはずなのにもうこれでいいと勘違いしてしまった。もう春には一部に上がれない。まだ完全に受け入れられてないが三度目ともなればどうすればいいかは分かっている。まず冷静に自分たちの状況を認識してできる事からしていくことだ。というわけで個人として、チームとして思うことを思いつくままに書いていこうと思う。


まず個人面。入ってからの二年間大事な試合はほぼ全て負けてきた。その度に自分の不甲斐なさに苦しんできたが、どういうわけか一度も辞めたいと思うことはなかった。同期の多くが一度は退部を考えたと言うから不思議だ。きっと今やめたら負けだとでも思っているのだろう。苦しみながらだが着実に成長は感じている。引き出しが増えて次は何をしようかと考えるとワクワクしている自分がいる。もちろん手元の技術や持ち方、対人守備、スクープの飛距離など課題は山積みでもうホッケー人生の半分がたった事を考えると絶望的するほどだ。しかし今まで同様に一つ一つ向き合っていけば解決できるという感覚がある。一年生に負けない成長速度が目標だ。思い返すと自分が一年の時に殻を破ったなと思える瞬間があった。それは俺はもっとやれると思い込んだ時だった。練習でも先を見据えて体力を管理する悪い癖があったがもっとやれると思い続け前の日よりもあと一歩頑張ることを続けたら違う世界が見えてきた。今はまた、程ほどに頑張るになってきているから今までよりもあと一歩頑張る事を思い出したい。偉そうだが自分自身の成長は恐らく心配ない。問題は上級生としての役割だろう。去年のチームの雰囲気の悪さを皆が口々に指摘していたし、自分としても気を付けようという意識はあった。しかしどこか他人事だったのかもしれない。成城戦でセーフティなプレーと言われ、フォワード、ミッドから多くの言葉を投げかけられて頭が真っ白になった。自分が今までしてきてしまったことはこれほど人のパフォーマンスを下げるのかと自分がされる側になってようやく気付いた。それでもまだ立教戦で俺は同じミスをしてしまった。小原に怒られて俺は何も反省していないのだと気づかされた。入部した時憧れていた三年生になった今、主将になろうとしている自分の発言には嫌でも影響力があるだろう。部員数が増えて自分のことをよく知らない後輩がそれを見てどう思うだろうか。そう考えると恐ろしい。いつもミスする方が悪いと正当化してきたが、本当の問題は自分にある。自覚が欠如していた。


次にチームについて。入部してからこのチームが下襷に行くのはなんと三度連続だ。最初に下襷が決定した時にこうきさんにこれは数十年ぶりの事態で危機感を持つべきだと言われたことを覚えているが三度目となった今回は特になかった。ただ次に向けてやるべきことをやるというだけだった。OBさん方も特に驚きはないだろう。それだけ期待を裏切ってしまった。代が被っている先輩たちが引退するときに次こそはと誓ったはずなのに。しかし今回の失敗は前回と同じだったのだろうか?東商での勝利から無失点で抑えていれば前が点を取ってきてくれるという信頼があった。しかし立教戦に限らず試合の節々で集中力が途切れ危険なシーンを生み出していた。今回痛感したように二部優勝一部昇格には全勝が必要である。自分たちの勝ち方からして簡単に失点してしまうようでは全勝は叶わない。その事をもっと強く認識しておくべきだった。リーグを通して、一試合を通して、すべてのプレーで隙を見せないような勝利にふさわしいチームであったのか。明らかにNOだ。今年のチームは雰囲気がいいし、それによってのびのびとプレーしていて見てて楽しいプレーも多い。しかしその一方で緩さが出ていないだろうか。自分含め練習中に一つ一つのミスが失点、決定機逸につながるという意識が足りていないと思う。今までどこか三年なのにやりすぎちゃいけないと遠慮があった。四年がいい雰囲気を作ってくれている代わりに俺がその緊張感を作りたい。試合前日に睡眠時間が足りていない事を堂々と言える雰囲気を作ってはいけない。まずは自分から。木村に言われた守備の切り替えの遅さを克服できていない。まずはそこから手を付けていこうと思う。

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