UNIVERSITY OF TOKYO HOCKEY TEAM
東京大学運動会ホッケー部
Est. 1925
2015-09-27
僕が部にいる理由
北村 和紀
「大学でも部活に入る意味ってあるの?」
これは僕がよくされる質問だ。たぶん運動会に入っていない人の多くはこのような疑問を抱いているだろう。
僕はこう聞かれた時、運動したいからと答えている。
話は変わるが、僕は高校時代野球部に入っていた。高校に入ってすぐの頃、今までに知らなかったこと、野球の見方が変わるようなことを監督から教わった。
いかに考えて野球をするか、野球に取り組むか。
これが監督が僕たちに言いたかったことだと思う。
それまでスポーツにおいて大事なのは首から下だと思っていた。でも頭を使わなきゃ、そのスポーツが上手くなることはないのだと思うようになった。
でも正直、考えるたり、頭を使うのは疲れる。授業から解放されたのにまだ頭を使わなきゃいけないのかよ。そう思いながらも言われたことをやっていた。しかし、自分から上手くいかなかった原因をじっくりと考えるなど、自発的に取り組むことは少なかった。あとから考えると野球というスポーツと本気で向き合っていなかったのだと思う。
高校の部活の引退の日、それまでに感じたことがないほど強烈な後悔を感じた。
試合に負けたことよりも、自分が真摯に野球と向き合いきれなかったことの方がずっと悔しくて涙が止まらなかった。
もっと肩の可動域を広げていればもっと早い球が投げられた。
もっとしっかりと自分のフォームを分析していたらもっと打てていたし、いい球が投げられていた。
もっとストレッチをしていれば怪我もあんなにしなかった。
常日頃からその一球の意味を考えてプレーしていれば結果も変わっていた。
挙げていくときりがない。
もっと野球と真摯に向き合い、もっと上手くなりたいと強く思っていれば、絶対にこんな後悔をすることはなかったはずだ。
いまだにその後悔が色あせることはない。
高校時代に戻ることは出来ない。しかし今、自分は本気でスポーツに打ち込めることが出来る環境にいる。そこで後悔が残らないようやり直したい、完全燃焼したい。
これが僕が大学でも部活を続ける理由だ。
同じ過ちは二度繰り返さない。
ホッケーとちゃんと真摯に向き合い、誰よりも上手くなる。
この決意を胸に引退までの3年と2ヶ月を過ごしていくつもりだ。