top of page

2018-10-08

リベンジ

成田 雄紀

今年の春、入部直後に見に行った東農戦で、東大ホッケー部が一部リーグで30年ぶりの勝利をあげる瞬間を目の前で見ることができた。入部して間も無くホッケーの理解も無かった当時の僕には、試合直後にはそのすごさはよく分からなかった。けど、応援に駆けつけていたOB・OGの方々がこの上ない賞賛の言葉をプレーヤーに送っているのを見ていたら、なんとなく分かった気がした。賞賛の言葉ではなく、「悔しいです!」の一言だけを放っていたOBの方がいらっしゃったのも印象に残っている。
なぜかは分からないけど、その試合よりもOB・OGの方々のお話の内容やその時の光景の方が今でもはっきりと覚えている。一部で勝つという目標に向かって精一杯努力しながらも達成できなかった先輩方がたくさんいて、そういう方々から色んなものを託されて現役の部員はプレーしているのか。そう感じた。


いざ入部してみてもよく分かる。大きな目標を達成するために、まず日々の練習から小さな目標を掲げ練習中には先輩後輩関係なく色々な事を伝え合う。練習後には毎回その日の練習の反省をしてまた次の練習に向けて準備をする。公式戦でどんなにボロボロに負けても腐らない。試合に出れなくても腐らない。目標に向かって本気で努力している先輩ばかりで本当に尊敬する。


自分はそんな先輩とは対照的だ。小中高と続けていたサッカーでは、練習から妥協ばかりしていて個人の課題やチームの課題にあまり向き合おうとしなかった。当然、チームとしても個人としても目立った結果は残せなかった。サッカーだけでない。他のことでも、辛いことから目を背けてばかりで弱い自分に向き合おうとしていなかった。自分に負けていた。そんな印象しかない。


でも、この部活に入った以上変わらないといけない。


志半ばで引退した先輩がいる。
そんな先輩の思いを背負って死ぬ気で努力している先輩がいる。
チームの底上げのために、必死になって一年生を指導してくださる先輩がいる。
そんな人たちを裏切ることはできない。


変わらないといけない。
敵は他でもない、自分自身だ。
必ずリベンジする。

bottom of page