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2018-08-12

ホワイトボード

中村 能之

かつて、と言っても二年前の話だけれど、下級生でも認められて、這い上がろうとしていた頃、良いプレーをするために周りへの要求はうざいほどにしていた記憶がある。
育成でプレーすることが多かったけれども、間違ってると思ったら代表も育成も関係なかった。何度も一緒にプレーしている人に遠慮する必要はないと、勝手ながら思っていた。
要求を伝えると先輩たちは納得することもあれば、議論になることもあるが、いずれにせよ一介の後輩の意見に真摯に向き合ってくださるし、そういった姿勢を見て素晴らしい環境にいるんだな、としみじみ感じることが多かった。

だけど今、全員混ざっての練習(あるいは運営面においても)で、下から上へ意見することが減ってきているような気がする。自分は立場が下だからと、必要以上に縮こまっていないだろうか?
後輩が先輩のミスに対して、低調なパフォーマンスに対して、いい加減な運営に対して、意見を口にすることを憚っているなら、それは上としても下としても本当に問題あることだろう。

自分の思ったことを遠慮なく口に出す。
しかし今はこれが意外と難しいのかもしれない、と思う。後輩からすれば、「先輩なんであそこに走らない?」「先輩そこでボール取られるのはアウトだろ」「先輩、自分たちの話を聞いてほしい」…こういうようなことを言えば(干されるかもしれない)(嫌な後輩と思われるかもしれない)(自分も出来てないのに先輩に指摘するとかおこがましい)とか他にも色々考えてしまうのは無理もない話だろうか。(自分はなんの考えなしに口走ってしまうタイプだから、よくよく考えてみたこともなかったが…)

ただ、ぶつかり合うことを恐れていればお互いの理解が深まらないまま。忖度することや、指示に黙って従うことは一見円滑にチームが動いてるように見えるけど、内実何かプラスを生んでいるわけではない。

そんなわけで、やはり腹を割ったコミュニケーションが上に下に飛び交うチームこそ、よくまとまったチームだと思っている。南アフリカW杯の日本代表は表向きは長谷部がキャプテンだが、チームの実情は「全員がキャプテン」状態で、長谷部は各々の間を埋める潤滑油に過ぎなかった、と語っている。
個々の上手い下手、上と下とかに考え込むことなく、皆が率直に意見を言い合う、聞き合う。毎日ホワイトボードに書き込んでいるチームスローガンの「伝え合い、高め合う」は実体のあるものになっているだろうか。

いよいよ七大戦が始まる。その中で修正すべき点も見つかるんだろう。願わくば上級生のみが主導するのではなく、チームの一人一人が主体的に改善策を論じ、実行することを望んで。些細なことでも良い。
そのために上級生としても意見しやすい場を作る責任を果たさないといけない。頑張りましょう。

そういう意味で、この大会が終わった後に、強化に関しても運営に関しても、なんでも言い合える関係性が今までより強くうまれていれば、良いことだと思う。




そして、明日からに向けて
必ず連覇を達成しよう。

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