UNIVERSITY OF TOKYO HOCKEY TEAM
東京大学運動会ホッケー部
Est. 1925
2021-06-07
バガボンド
佐近 大輔
気づけばもう大学生活が終わろうとしている。振り返れば色々あったような気がするけど、いわゆるダメ人間の生活とホッケーしていたことがぼんやり記憶にある。
正直書くことがあまり思いつかない。今までずっとここに記されてきたような信念や決意、あるいは悔悟といったものが浮かばない。色々と考えてやってきたはずなのに、なぜか。
代わりにすごく緊張している。今この瞬間にもキーボードが上手く打てないほどには。だから試合前はあまり好きじゃない。
緊張するにも色々と理由はあるのだろう。勝ちたいと望む気持ち、周囲の目や自分のプライド、案外チームへの愛着だったりするのかもしれない。そんなものが混ざり合っている。
結局何においても、軸がぶれているのだろう。その時の心境によって享楽的に行動しているのだろう。
だけどそれで良い。結局防具を着て、ゴール前に立てば、そこにあるのはゴールを割らせないという情念だけ。信念とか理由とか、そんなものは重すぎて邪魔になる。
リーグはあと一ヶ月あるが、その時その時の緊張を飲みながら過ごす。緊張も紐解けば、多分失点したらどうしようって思ってるだけ。
今思えば、選手として大成するとか試合に勝つ以前に奥底にあるのはゴールを守るということだけだった。ホッケーをすることで色々なことを考え、思って、落ち込んだり、喜んだり、生まれたものや消えたもの、思い出しきれないけど、結局そんな感情は自分自身のさざ波に過ぎず、むしろそのそばにホッケーがあったことは僕にとってとても幸せなことだったのだろう。感謝すべきことなのだろう。
まあきっと明日にはここに書いたことも忘れて、ホッケーして、ゴールを守るだけの機械になって、そんな日々をまた繰り返していくはず。
ただそれだけ。