top of page

2016-10-17

ダイスキだったら

岸野 真道

「俺、ホッケー下手だなぁ」と思うことが多くなった。自分は周りより少し長くホッケーをやっている。だから求める理想は高いし、その理想通りには上手くいかないことへ自分自身に憤りを感じる。なんで上手くいかないんだろう。

ホッケーを続ける一番の動機は「ホッケーが楽しいから」だった。「楽しさ」とは「ドリブルで相手を抜かす」ことだったり「パスをつなぐ」ことだったり「気持ちよくシュートを決める」ことだったり、そして最終的には「勝つ」ということと同義なのだと思う。「最近ホッケーつまんねぇなぁ」と思うのはひとえに自分が活躍できないからだ。

6月にケガをして、しばらくホッケーから遠ざかった。復帰初日の大ゲーム。ただ単純に久しぶりに試合に出られて楽しかった。体力的にはつらかったけど、伸び伸びプレーできた。「岸野を見てるとホッケーの楽しさ思い出すわ!」その試合中ある先輩が何気なく言ってくれた言葉が忘れられない。活躍できないから、今まで気が沈みがちだったことが何だか恥ずかしくなった。「俺はもっと上手くなって、もっとホッケーを楽しみたい」ホッケーを始めた頃のことはほとんど覚えていないけど、昔もそんな純粋な気持ちでホッケーをやっていたのかもしれない。

最近は自分のプレーに対して多少謙虚になったように感じる。直すべきところはきちんと人に聞いたり、前よりも失敗の原因を考えて改善することが多くなった。そう何事も自分の思い描いているようにはいかない。ただ、あの日の「もっと上手くなりたい」という気持ちは前よりも強くなっている。「チームに対して自分に何かできること」ではなく、ちょっと傲慢かもしれないが「自分の力でチームが勝つ」ことをイメージしなければいけないと思う。勝ちに貪欲に、そしてチャレンジと自分の成長を楽しむことを忘れずに。

bottom of page