UNIVERSITY OF TOKYO HOCKEY TEAM
東京大学運動会ホッケー部
Est. 1925
2017-11-08
スローガンに込めた想い
水谷 京弥
「学生主導は弱みであってはいけない。
学生主導だから強いチームを作りたい。」
専門的な知識のあるコーチがいない東大が一部校に勝つには、ただの素人である幹部の指示を聞いてこなすだけでは絶対にだめで、選手、スタッフ一人一人が自分で考え、実行し、それをチームに還元する。相手校の選手や戦術を分析し尽くし、東大の強み弱みを考慮した上で戦術を決め、最大限の準備をして試合に臨み、持てるものを全て出し切り勝つべくして勝つ。これこそ東大ホッケー部のあるべき姿ではないか。
初めて行った幹部ミーティングでこのようなことを話し合いました。
そうした幹部の想いがあって、4年生全員で考え出した「Think out,All out.」というスローガンのもと、Bullions2017は始動しました。
考え抜くこと、出し切ること。
口で言うのは簡単だけど、体現することは難しい。本当にそう思います。
けれども今になってようやくスローガン体現の兆しがチームに見え始めたと感じました。
練習班の反省では練習メニューに対する的確な意見や、個々人が自分の技術不足な点を把握しそれを改善するような意識が見られ、試合反省シートでは以前はなかったような活発な議論が行われるようになりました。
戦術面に関しても、試合に出て活躍していない下級生にもかかわらず、幹部の盲点だったポイントを指摘してくれる選手もいます。また、僕が何か戦術的なことを下級生にアドバイスすると、それをただ鵜呑みにすることなく、何故そうなのか、違うやり方ではだめなのか、といったような言葉が返ってきます。
僕が下級生のときはなんの疑問も持たずにただひたすらにホッケーをしていたことを思うと、1人1人が考えながらプレイしている今のチームは確実に東大ホッケー部としていい方向に向かっているような気がします。
また、試合に出ることができないスタッフも、各々が自分の役割を明確にしてチームに貢献しています。
試合だけではなく日々の練習の分析をしたり、チーム練の動画を撮って、いいシーン、悪いシーンをまとめてチームに共有してくれています。テーピングできるスタッフも増えました。ミニゲームの審判をして練習の質を高めてくれるスタッフもいます。
今年は広報も充実し、広報ビデオを見てホッケーに興味を持った僕の両親や友達が試合を見に来てくれたりもしました。
いつだったか、同期のスタッフは「直接勝利に貢献できない」とかなんとか言ってましたが、僕はそう思いません。
例えばPC。偵察に行って撮って来てくれた動画をもとにバリエーションを決めるし、日々のPC練の動画を見て、試行錯誤しながらゴールを決められるように修正しています。
実際にゴールを決めるのはフリッカーやタッチャーでも、その1点は紛れもなくチームで取った1点だと、4年生になって、幹部になって、強くそう思うようになりました。
Bullions2017、本当にいいチームになったと思います。
ですが、Bullions2017の到達点は今ここではありません。
あと2週間と少し、入れ替え戦の試合終了のホーンが鳴る最後の1秒まで。
全員が「Think out,All out.」を体現し、「一部校に勝つ」「一部昇格」を達成しよう。
最後に。
インカレ初戦の相手が慶應に決まりました。
去年目標にしていて、勝てなかった相手。
地力の差を実感させられた相手。
慶應に勝つ。
「勝ちたい」のではなく「勝つ」。
明日は幹部の意地を見せます。