UNIVERSITY OF TOKYO HOCKEY TEAM
東京大学運動会ホッケー部
Est. 1925
2025-06-19
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伊藤 拓朗
僕がホッケー部に入ってから丸3年ほどが過ぎました。毎年新入生が入ってきたこの季節にな
ると、下級生とその当時の自分を引き比べて物思いにふけるのが常でしたが、最上級生となった今年、頼もしい後輩に恵まれ、まあ総論としてはうれしい限りです。
入部してからこれまで3年間、部活に取り組むモチベーション、プレイの調子、その他諸々は一定でも単調増加でもなく、大小の上下動を繰り返す波の様相を取って変動し続けてきました。自分でもよくわからん膝と腰の痛みを理由にプレイをしなくなってから、さらにいえばリーグ戦期間に入ってからとしたほうが実感としては正確なのですが、とにかく、おおむね下り坂をてくてく歩いて、後ろを振り返って「あんなに高いところに上ってたんだなあ」と思う、そしてしばらく経つと、昔いた山頂がかすんで見えなくなる、気が付いたら谷底を歩いている今、少なくとも主観的にはそういう状態にあると思います。
これを書いている時点で、春リーグもすでにプール戦3戦、決定戦1戦を消化し、あとは最後の1戦を残すのみとなっています。個人的にはリーグ戦はもう終わっているに等しいと思っています。これは決して次戦の価値を貶めるものではなく、チームの士気を下げる意図もありません。チーム成績のふがいなさになにか感じているわけでもなく、自然とそう思っているだけのことです。
振り返ると、リーグ戦、特にプール戦の期間中は、チームの中で僕だけは、相手チームでも自分のトイメンでもなく、自分を相手に独り相撲を取っていた、というのが実感です。今更個別の試合については何も書くべきことはありません。そういうの好きな人がたくさん書いてるし。総合的に自分のプレイそのものに関しては功罪相半ばする感じだったというくらいで、まあいろいろ言いたいことがある人もいるようですが、なにかここでコメントする気はありません。今シーズンのチーム成績に関しても、これまでの雑感でべらべらと書かれているのでまあどうでもいいでしょう。2部5位、6位。結構(他意はない!)。そうなるともう書くことがほとんどないことになりますが、何が言いたいかというと、はっきりいってもうチームには興味が全く持てないんですね。もう思い出せないんです、きちんと関わろうと、できることを探していたときの感じ方が。その時の自分と今の自分との間に連続性が感じられず、何かをモチベーションにして走っていたころに何を考えていたのかが本当にわかりません。そういう状態が続くと、何かきっかけをつかめそうで、実際に少しだけ気持ちが上向きになって頑張ろうとか思っても、結局すぐにそれが嘘みたいな気がしてきて、公式戦で得点したり、チームが勝ってうれしい気がしてもそんなはずがないという思いが先にてまた坂を下っていく。だから(?)、今どうしてこういう状態に自分がなっていて、きっかけが何で、根本的な理由があるのかとかそういうのももうどうでもよくなって、何か行動とか心構えとか変えてみようって思っても、なんかやってるうちに靄がかかって考えられんようになって、怪我でプレイしなくなったことが何かの原因だとは思っていません。怪我をしてプレーヤーとしての前途を諦め絶望。ふむ、きれいなストーリーですが気に入らない。大体全然プレイできるし。やってないだけで。もちろん何かが今と違えばまた違う状況にいるはずなのは間違いないのですが、そういうたらればは嫌いですし。前々からたまっていたものがたまたま表面化しただけで、体の調子やプレイの質は結局のところ付随する一現象に過ぎません。
こういう文章を雑感として発表しようとして書いている時点でまともではなく、そのまともでなさがこれを書くことでより固定されるような気はうすうすしながらも、いまこういう機会があって腑抜けた駄文を書き連ねているのはなぜなのかわかりません。そもそもイライラしてスティックで膝をぶん殴ったり、平日の練習前に特に何をするでもなく山手線一周してるような人間がまともであるはずはないのだが、今日は火曜日だからグラウンドにはいかないとなあ。練習に行ってグラウンドに立っていれば、まともな気持ちになってくるのは確かなのですが。
様子がおかしくなってきたのでいったんリセット。
ここまで書いてきたことは半分本当で半分は冗談みたいなものだけれど、とにかくさっきもいったけどこれを文章にして公開しようとしていることもまたまともではない(じきに消してもらう気がする)ですね。これでもいろいろなことをぎゅっとしまって我慢しているのです。こういう風に内にこもる気質を自覚し、多くの人に指摘されながらも、変えることはできず、こういう状態になっているところがそもそも自分はチーム競技(、社会生活?)に向いていないと自分でも思います。今更かなあ。それでもなぜか10年近くもチーム競技から離れられないのは、なんというか業ですかね。ある人が「部活は所詮趣味」と言っていました。曲解することを許してほしいのですが、そうであるならば、現状は趣味に許容できる範囲をいろいろと超えてしまっています。
ただここで蛇足ながらつけくわえるとするなら、プレイヤーとしての自分の現状とか、可能性とかに絶望したことはないです。これまでありがたいことに多くの出場機会をいただき、マイペースにやってきて、尊敬してるプレーヤーたちの足元にも及ばないながらも、自分基準では割といいプレーヤーになれたとは思ってます。チームを勝たせられるとか、チームの戦力として機能するとか、とにかくうまくなるとか、うまくいえないけどそういう基準を自分の中でモチベーションにできなかったことは残念といえば残念です。あと関係ないですが、2026の代に入れ替え戦を経験させるのは、2022の入れ替えを見た最後の人間である自分たちの責任だと思ってました。少しだけ申し訳ないです。
ただ今までの自分の姿勢に関しても後悔はなく、というのは、どんな状況に置かれようが、僕はおそらく自分でやることになる程度の努力しかおそらくせず、今までやってこなかったということ、今やっていないということは、やらないことになっていて、そして今があるということ。僕にとって努力とかそういうものは、他人に認められたり求められたりするものではないのです。
まあぜんぶ負け惜しみですね。客観的にみたら。自分ではそうは思わないけど。
いままでの道のりで、
チーム目標へのコミットを捨て、
勝利への執着を捨て、
同期に何かを期待することをやめ、
動画反省の習慣を捨て、
幹部としての義務と責任感を失い、
健康な精神と肉体を(半ば自らの意思で)捨て、
プレイする意思もなくなって、
情熱をこめて書いたらしい、どこかから借りてきたような文章や長々ととても本心とは思えないことを書いた文章に心を動かされることもなくなり、
とにかく何かを落っことし続けてここまできたけれど、今、最後、わずかに残っているものたちもどっかに蹴っ飛ばして身一つでどこかに歩いていくか、一つぐらい拾いに戻ってみるのもいいかもしれないですね。
終わり。
※この文章の内容に関して、僕に直接何か言うことは禁止します。