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UNIVERSITY OF TOKYO HOCKEY TEAM
東京大学運動会ホッケー部
Est. 1925
2018-05-17
贅の極み
磯田 知輝
あと2週間ほどで、怪我をしてからちょうど1年が経つらしい。幸い今では怪我も治り、足に不安がないと言えば嘘になるが、まあ練習には参加できるようになった。
怪我をした人なら分かるとは思うが、自分が参加できない練習というのは途方もなく長く感じる。そして、人は時間があると後ろ向きなことばかり考えてしまう。気がつくとグラウンドの隅では決して解決し得ないそんな悩みに頭を埋められそうになる。悶々。
しかしリハビリのかいもあり、前述の通り復帰することができた。久々のホッケーは楽しい一方、やはり数ヶ月単位で動かずにいるとホッケーは下手になるようで、この1年ホッケーの理解を深めたところで動きたい場所には動けず、球はスティックからすりぬけ、簡単なパスさえままならない。こんなに下手くそだったのかと自分に失望する。
ホッケーが下手だ。上手くなりたい。これが今の悩みである。
数ヶ月前の自分に言ったら、ホッケーをできているだけ自分より数倍マシだ、と怒られそうである。確かにその通りだ。何と贅沢な悩みだろうか。
しかし、自分の目標はホッケーをすることではなく、その遥か先、きっとこの悩みを果てまで晴らした先にある。
離脱期間の自分の分まで、これからも贅沢な悩みに苦しみ続けていきたい。
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