UNIVERSITY OF TOKYO HOCKEY TEAM
東京大学運動会ホッケー部
Est. 1925
2021-05-11
好きな理由じゃなくて好きが理由
小幡 悠人
よくされる質問がある。「なんで好きなの?」
心の中の答えは決まってこう。「好きだから。」
これが自分の原動力。そして僕と少し関わった人ならわかる話、僕は好きじゃないことは本当にやらない。これは大きな欠点で一刻も早く直さなくちゃいけないことではあるんだけど。その話は今は脇に置いておく。
好きなことはなんでもやりたくて、タイミングがあえば手を出す。ちょっと前は一眼カメラとかギター、最近は、将棋とかFPSとか。バカっぽいとか言われることもあるけど、考えることも好きだし、もちろんホッケーもそう。
運動会ホッケー部の三年生だから、ホッケーが好きなことリストに入ってるのは当たり前に思えるかもしれないけど、自分の中では当たり前じゃなかった。
小さい頃から体を動かすことが好きだった。ありがたいことにいろいろ経験させてもらって、色んな運動が得意になって、相乗効果でさらに好きになった。
なんやかんやで東大ホッケー部に入った一年生の間は、週5回なんて、常に体を動かせる最高の環境にいると思ってた。ホッケーは体の使い方が特殊で難しい運動として好きだった。さらには単に体を動かすことが好きなだけだったから、ミスしても点を取られてもそれほど悔しくなかった。楽天的だし負けず嫌いでもないから。実は七帝戦のジュニア戦で負けた時も悔しさはなかった。
そんな中、Bullions2019が引退試合で一橋に負けた。すごく驚いたし、一橋ベンチの盛り上がりが耳に入ってきたとき、本当に悔しくなった。その上で、先輩たちには申し訳ないけど、相手チームが輝いて見えた。対策を練りに練って、宿敵を倒して掴んだ一部昇格って感じで。ホッケーが競技として好きになった瞬間だった。
競技としてのホッケーはそれまでとは全く違うものになった。パスを繋いだり、ドリブルで抜いたり、点を取る瞬間がたまらなく好きになった。逆に相手にやられる瞬間が好きじゃなくなった。コロナで試合が潰れたりホッケーができなくなることが悔しかった。先輩たちからは「ホッケーが好きなんだね」と言われるようになった。
ホッケーを競技として好きになってからつい最近まで、波はあれどメキメキ力がついた。ただ自分がやりたい動きを実行していたそれまでとは違って、敵に勝つためには何が必要かも考えるようになったから。敵がどんなプレーを嫌がるか、味方がどんなプレーを好むか。
まだやりたいプレーは山ほどあるし、動画も漁ってる。だけど、ただ単にホッケーという競技が好きということも最近変わりつつある。
新入部員が入る度に喜んで、入らない度に悔しく思った。さらには自主練したりホッケーのことを楽しそうに話している後輩たち、去年よりも断然上手くなっている同期、練習メニューや下級生のフォローに心を砕いてくださる先輩達をみて嬉しく思った。今年も来年も、さらにはその先の強いBullionsを想像してわくわくしている自分がいる。間違いなくホッケー部が好きになってきている。ホッケー部の活動は幅広いものだし、それが自分のペースだから遅いとかは特には考えない。
好きなホッケー部のために自分が何をできるか。雰囲気作りとかプレーのアドバイスとか。幸いそういうのは好きだから上手くいかないことがあってもポジティブにやっていきたい。まずは三年という立場から、来年には最高学年という立場から。
そして自分が引退した後もホッケー部に関りたいとも思っている。OBコーチもしたいし、まだまだ先の話だけど、年取ってから大好きなホッケー部のみんなと大好きなお酒でも飲みながらワイワイできたらなって思う。
これから先誰かにホッケーやホッケー部のことで聞かれるかもしれない。「なんで好きなの?」
心の中じゃなくて口に出して言う。「好きだから。」