UNIVERSITY OF TOKYO HOCKEY TEAM
東京大学運動会ホッケー部
Est. 1925
2015-06-01
大を成す
中田 尚吾
入替戦まで三週間を切った。これから三週連続でたすき戦、順位決定戦、入替戦が行われる。どれも絶対に負けられない戦いだ。もし仮に今週のたすき戦で負けてしまえば入替戦に出場することすらできなくなる。一部に上がるためにはこれからの三試合全てに勝つ必要がある。
正直に言えば、少し怖い。東大は四期連続で、入替戦で敗北している。最後に入替戦で勝ったのはもう三年前で、入替戦を勝ち切った後の雰囲気を知っているのは今や僕たち四年生だけになってしまった。その僕たちにしても当時は一年生だったわけで試合に出ていた選手は一人もいない。入替戦に負けた後の悔しさなら嫌という程味わってきた。勝ちたい。一部に昇格して、全力で喜びたい。これが今の僕の率直な気持ち。
四年生には、もう後がない。この春リーグで一部に上がることができなければ、四年生はもう一部で戦うことはできない。一部の舞台で戦いたい。一部の舞台で、スポーツ推薦校である一部校に勝ちたい。ほとんどの選手が大学からホッケーを始めた東大が、スポーツ推薦校を倒すこと、それが今年のチームの目標「一部で勝つ」だ。その夢をどうしても実現したい。だから、これからの三連戦全てに勝たなければならない。
今のこの部活には、目標は達成できなくて当たり前の風潮が出来上がりつつあるように感じる。そして、今年も目標が達成されなければその風潮は確固たるものになってゆくだろう。僕が二年の時のこのチームは、本気で一部に勝とうという気概に溢れていたし、実際に一部校相手に勝つまで本当にあと一歩の試合をしていた。東大だって一部に勝てると本気で思えた。目標は超えてしまってもいい。後輩には目標は達成できるんだっていうことを示したい。
目標を達成するために、まずは一部の舞台に立たねばならない。そのために僕自身がこれからやるべきことは二つだ。
一つ目は、これからの三連戦で圧倒的な活躍を見せること。副将として、プレーでチームを引っ張る。自分のプレーでチームを一部に導く。自分にはその責任があると思うし、できる力は持っていると思う。ずっとずっと自分のゴールでチームを勝利に導くエースに憧れていた。去年布施の書いた決意は、僕が思っていたことと全く同じだった。いつだって自分がゴールを決めて勝つことを思い描いて、妄想して、過ごしてきた。その妄想を現実に変えるための努力をずっとずっとしてきた。
今までの自分は、勝負所でゴールを決めることができない選手だった。でも、今の自分は違う。この春リーグでは重要な場面でゴールを二回決めることができた。でも、まだまだ俺はこんなもんじゃない。これからの三連戦、必ず自分がゴールを決めることでチームに貢献する。重圧の中で決めるゴールは最高に楽しい。
二つ目は、チームとして目標に向かって一つになるための働きかけを行っていくこと。60人を超える大きな部活になってしまった今、チームが一つになるというのは簡単なことではない。しかし、人数が増えても、全員で同じ方向を目指すチームでありたい、僕はこのスローガンにそういった願いを込めた。試合に出ることができない選手も、MGも、一年生も、全力でこのチームの勝ちを願い、一人一人がそのために行動できるチーム。それが僕の理想だ。
そのためには、まずは自分が全力で部活に取り組むことが必要だと思う。本気で部活に取り組む姿勢を見せれば、それは他の人に必ず伝わっていく。あいつが頑張ってるなら、俺も頑張らなきゃってきっと思ってくれる。そうやっていい影響を伝播させてゆく。自分が変われば、自分の周りの人も変わっていく。自分の周りの人が変われば、その周りの人も変わっていく。そうやってきっとチームは良くなっていく。目標に向かってチームが「共鳴」することができると思う。だから、自分はその原動力になれるように本気で、悔いが残らないように頑張る。死に物狂いで頑張る。
・自分のゴールでチームを勝利に導く
・チームが「共鳴」するための原動力となる
この二つが今の自分の決意。
発言には責任が伴う。でも、活躍できなかったらどうしようなんて考えるだけ無駄だ。もう、やるしかない。ここに示した決意を責任を持って、絶対に成し遂げる。この二つを成し遂げたとき、きっと自分も、チームも、「大を成す」一歩を踏み出しているはずだ。さぁ、頑張ろう。一部は目の前だ。