UNIVERSITY OF TOKYO HOCKEY TEAM
東京大学運動会ホッケー部
Est. 1925
2019-06-29
今まで、今、その先
中村 能之
チームが始動する前、自分が主将として何ができるか考え責任を感じたと同時に、正直なところ今年のチームがうまくいくか確信は少なかった。自分だけじゃない気がする。ぶっちゃけた話、2018の個性豊かな、それでいて過去最高レベルに技術が高い先輩方がごっそり抜けて、経験の浅いチームが最出発となれば、同じようにはいかないことは誰の目にも明らかだったはず。そして超えるべきものが去年の「30年ぶりの快挙」となればなおさら。
実際課題は本当に山のようだったし、副将の二人と渋谷の喫茶店で昼から閉店まで話してるなんてこともあった。
やるべきことを明確にし、今できることに集中する。そう決めたわけじゃなかったけど、必然的にそうなった。
それが今はどうだろう。積み重ねの結果として一部で一勝をあげた。30年の悲願であった勝利を2年連続で、である。誰もが予想したかと言ったら、決してそんなことはないだろう。
実際に始動当初の試合と最近の試合で見比べてみると良い。見違えるほどである。
そして、それよりもチームの内部にいる者として、出した結果と同じくらい嬉しく思っていることがある。
たくさんの選手が自分の伸ばすべき(あるいは求められている)技術を理解し、フォーカスした自主練を練習後なり空きコマなりにやっていること。
育成でビデオ反省に誰よりも先に多くの意見を書き込み、改善しようとする選手がいること。
運営面で恐ろしいスピードで仕事を処理する部員に支えられていること。
けが人がもどかしい日々を過ごしながらも、できることを懸命にこなしていること。
試合になればベンチの裏で応援部と一緒にチャントを歌って盛り上げていること。
スタッフが練習で変えた方が良いことを幾度となく提案してくれたこと。
練習の解散とともにすぐさまビデオをアップロードしてくれること。(おかげで、ここ5代でトップのペースで総視聴時間伸ばしてる。知ってた?)
これらのことが過去の先輩方が試行錯誤によって築いたホッケー部の文化の上に立って実現されていると実感したこと。
全てのことがチームを前進させる活力になっている。
だから今は皆とやるホッケーがめちゃくちゃに楽しい。さらに加速して成長すれば秋が終わる頃にはどれほどのチームになるか。
年明けの新体制報告での挨拶で「東大が新たなステージに上がっていけるか、未来に繋げられるか、正念場の一年になる」という趣旨の文を書いた。今、シーズンの通過点に立つ中でこの挑戦が止まることは考えられない。
選手、スタッフともに改善できることはまだまだある。自分を取ってみても中盤のプレーヤーとしての理想像、主将としての理想像に近づけているかと言えば、程遠いと言わざるを得ない。変なボールロスト、アウトなパスミスをすることもあれば、無駄に感情的になることもある、認めざるを得ない。
でも、いや、だからこそ、改善の余地が大ありだからこそ秋への挑戦に進みたい。進まないと気が済まない。
日曜の入れ替え戦はさらに上を目指すための大事な一戦になる。
自分にとっては怪我で満足に出場できなかった分をぶつけるチャンス…?自分が試合を決める…?
いやまあ、余計なこと考えるとろくなことは起きないから結局は平常心で臨む。
奇跡が起きることも起こされることも期待しない。ひたすら自分の100%を出すことだけを考えて。
スポーツだから何があるかは分からない。それは理解してる。でも勝つ確率を限界まで高める準備をしてきたのだから。
勝つべくして勝つ。