UNIVERSITY OF TOKYO HOCKEY TEAM
東京大学運動会ホッケー部
Est. 1925
2021-05-17
今の自分にできること
山内 鼓太郎
ここぞという場面で結果を出した選手が、感情を爆発させる瞬間が大好きだ。
それはサッカーのアディショナルタイムでの決勝ゴールだったり、野球のサヨナラホームランだったり。
去年の2部決勝の学習院戦、SOの五番手でしっかり勝ちを掴んだ亘希さんのガッツポーズも、心に響くものがあったし、「やっぱりこういう瞬間が一番好きなんだ」と改めて思った。
まだ入部するか迷っていた一年の4月、bulliosのハイライト集を見て一部相手にゴールを決め、チームメイトと抱き合って喜ぶFWに憧れて、漠然と「ゴール決めて活躍したい」という夢を持って入部した。
あれから2年と少し、控えめに言って現状の実力は「大舞台でゴール決めるカッコいいFW」という憧れとは程遠い。三年生と言ったら本来チームで主力として活躍してるはずなのに、足りない部分が多すぎる。自分の能力の低さとか、すぐに怪我する身体の弱さとか、言い訳をして自分と向き合えない気持ちの弱さとか。
下手くそな自分と向き合って誰よりも努力しているとかでもなく、一通りの努力しかしてこなかった。ホッケーが心から好きという気持ちも、同期の小幡とか見てると薄いなと思う。
雑観を書く番が回ってきて、自分を見つめ直すと結構ネガティブなことが思い浮かんでくるが、実は去年の代替わりくらいの時に、自分のモチベーションが変わるきっかけがあった。
去年の代替わり前の練習後に、縦割りの班長だった三木さんから「技術がなくても、守備や運動量で相手のdfを乱して、表FWの負担を減らすだけでも十分チームに貢献できる」と言われた。表で活躍してた三木さんや佐藤さんも試合で使われ始めた頃はそんな感じだったと言われて、試合に臨む上での考え方がかなり変わった。
今も変わらず下手くそだし、来年は四年生なわけで、そこはしっかり向き合って変わらないといけない部分なのは間違いない。でも試合に臨む上で漠然とした「ゴールを決めたい」という願望ではなく「裏の五分間走り勝ってしっかり役割を果たそう」という意識が出始めた。そこからはなんとなく開き直れた感じがして、守備強度やバックプレスなら自分より上手いFWにも絶対負けたくないと思うし、良いメンタルで試合に臨めるようになった。
週末の横市戦もこのアイデンティティを持って泥臭く走り切る。でもチャンスが回ってきたら、ゴールを決めて喜びを爆発させたい気持ちは変わっていないので、今はしっかり練習してイメトレしておきます。