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2024-06-20

ドンマイ

小原彬弘

部活をやめたいと思ったのは初めてだったかもしれない。中高で部活やっていた時も思ったことはあるのかもしれないけど今ぱっと思い出せないってことは少なくとも思い悩むほどまでいったことはなかったってことだろう。こんなこと書いているけど、僕にとっての部活の定義には“やめてはならない”っていうのが含まれているから三部に落ちようが、どれだけ人間関係に苦戦しようが退部するという選択肢をとることはまずない。それでも、決してその選択をすることはないとしても、部活をやめようかと思う瞬間は多々あった。

多分何よりも雰囲気が悪すぎた。去年に比べたらだいぶましになったけど今年の新歓でこの部活は雰囲気がいいよって新入生に伝えるのをためらうくらいには悪かった。ミスが重なると何人かの口調が強くなっていって、わかってないのか知らないけど怒鳴られた側はリアクションしないから怒った人の機嫌の悪さはそのままで、だんだんとチームの空気が重くなる。それが練習の中で収まるのならいいけどそんなわけなくて、たとえ公式戦だろうがそれが起こる。練習で修正しきれなかったミスを誰かが怒ってその人のメンタルがやられてまたミスをして、空気の悪さがコート内の他のプレーヤーのミスを引き起こす。いつも指摘されているミスを繰り返しているプレーヤーが悪いのは言うまでもない。けれど、二部優勝一部昇格を目標にしているチームの人間として、その公式戦の一戦一戦に限って言えばとても勝つための最善の言動とは思えなかった。雰囲気は立て直せないまま、先制されると勝てないチームが出来上がり、しまいにはうまくいかなかったときに審判とかボールサーバーに文句言ったり、スティック投げたりする輩が現れて、敗者としても終わっていた。

あとは普通に週5で練習しておきながら中途半端な強さのチームに納得がいっていなかった。各部員のやる気というか本気度みたいなものに差があった。練習中は自分含めてランストとか四角パスとかでパスミス、レシーブミスが頻発して、そのたびに“ドンマイ”と言い合って、組織練が始まるとさらにミスは起こりやすくなって練習の狙いを果たすことがかなわない。それこそ雰囲気が悪くならないように、他にいうこともないしとりあえず“ドンマイ”って励ましあうけれど、それを気にせず何を気にするのか、なんのために練習するのか。その割に練習後自主練する人は全然いないし、やっている人もゴールに向かってシュート打ったり強打の練習をしたりする人ばっかり。練習後に関してもカロリーを求めてカップ麺を食べる周りを見て、部活名乗っておいてそんなもんかと思ってしまった。スタッフにほぼ毎日来てもらっておいて、練習動画の再生回数が1桁のものがざらにある。結局チーム全員でホッケーをすることの価値が自分にとって激減して2S1は練習がある曜日でも5限をためらうことなく入れることにした。

結果、今春リーグのチームでのパスミスの総数は204回、レシーブミスの総数は128回。5試合300分しかないのに計330回パスが途切れた。(僕調べです)さらにこれにファールとか単ドリミスとか加わってくる。下級生が多いとはいえ、試合に出るメンバーでこれでは東大ホッケー部としての基礎技術の低さは言うまでもなかった。さらには試合反省全然やらないし、スプシ書いている人も毎試合同じようなこと書いていたり、なんか妥当性のないこと言っていたり(これはしょうがないのかも)、~すればよかったみたいな理想だけ書いて終わっていたり、リアクション専門のやつがいたり、各コメントに謝罪して回るだけのやつがいたりで意味あるものは作れていない気がする。

春は2部5位に終わった。4年生には申し訳ないけど、個人的には運よく勝ち進むよりは下位どまりのほうが今後を考えるとよかったのではと思ってしまう。流石にドンマイで済ませられないでしょ。やらないといけないこと、変えないといけないことは明白なはず。いい加減向き合わないと。

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