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2017-06-09

あと

中塚 太一

引退するまであと何日ホッケーできるのだろう。



最近ふと、自分が一年生のときに引退間近の四年生が言っていたことを思い出した。


「引退まで残り2週間くらいしかないけど、ボールの持ち方ひとつ取ってもまだ成長しているのを感じる」


ほんとにそんなふうに思うのか?

そのときは疑問だった。
四年生ともなればプレーは完成されてきて新しく学ぶことなんか少ないんじゃないかと思っていた。

自分が四年生になったいま、先輩の言っていたことがよくわかる。


自分が下手くそなせいもあるが、昨日よりも上手くなったと実感できることがまだまだある。
また練習では常にそうありたいと思っていた。



しかし自分はいまグラウンドで練習することができずにいる。

春リーグの直前に怪我をした。
焦って無理をしたためにリーグ中に復帰することは難しくなった。


「出させてもらっている」
ではなく
「試合に出ている」
ようやくそう言えるようになってきた。
自分の中で少し手ごたえを掴んできた矢先のことだった。

正直、悔しい。
チームが一部昇格をかけた戦いをしているのを前にして、見ていることしかできない。


見ているだけというのは、こうもフラストレーションが溜まるものか。
不満が溜まる一方だ。


「どうしてそんなプレーをするんだ。もったいない」
ということではない。

「いまのプレーいいなあ、自分もやってみたいなあ」
の連続である。


転んでもたたでは起きない。

大器は晩成するということを体現するために、不満を溜めておく。
のちにこの期間がbreakthroughのためには必要だったと言えるように。

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